企業の写真制作室にて広報宣伝用写真制作に携わる。退社後、2000年よりフリーランスの自然&動物写真家として活動を始める。
「The colors of nature」のテーマのもと、アフリカ、カナダ、セイシェルなどの自然・動物、そして国内の風景や花などを中心に撮影取材を行っている。また、撮影会や写真教室の講師等、写真愛好家の指導にも力を注いでおり、自然風景の他、テーブルフォト、花火、夜景などいろいろなジャンルの指導をこなす。写真専門誌の撮影、執筆、フォトコンテスト審査などでもおなじみ。2005年4月にはNHK教育テレビ「趣味悠々」にてデジタルコンパクトカメラの講座を担当する。
キヤノン販売(株)「EOS学園」講師。
社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。
私は、写真を撮る時、自分が撮りたいか否かという素直で単純な思いに任せています。直感に従って、何かを切り取っていくという作業が、自分を表現するための作業のような気がします。自由に、心のままに、気持ちよく撮影ができれば、作品ものびのびと羽ばたいて見えます。
気持ちよく撮影するには、自分の気持ちを自由に、穏やかに保つことが大事ですが、その他にも大事なことがあります。
それは、撮影するときに使用する機材の使い勝手です。自分の手足のように動くこと、いろいろな操作が簡単なことは、みなさんが思っているよりも重要なことです。機材と仲良くなって、使いこなせるようになればいいのですが、もともと簡単に操作できるかも大切なポイントです。
腕にハンディキャップのある私は、他の人よりも機材の使い勝手にはこだわりがあります。EOSは発売当初からずっと私の腕となり、心を写し出すツールとなっています。デジタルカメラが主流となりつつある今も、フィルムと併用して撮影をすることもありますが、一貫して操作感やデザインが継承されていますし、レンズ&アクセサリー等の互換性があるので、大変助かっています。
デジタルカメラの進歩は、キヤノンの初代デジタルカメラから見てきましたが、思った以上に速い進歩をとげました。そしてそれを取り巻く環境も整いつつあります。最近の製品は使い勝手や画質面から見てもまったく不満はありません。すでにデジタルとフィルムを比較する時代は終わり、作品の内容や、撮影状況などに応じて、使い分ける時代になったと思います。それぞれのメリット、デメリットをふまえ、メリットを上手に使えばいいのです。
例えば、私の撮影でいえば、オーロラや朝日夕日、氷上のまっしろなアザラシの赤ちゃん等、撮影条件的にむずかしい被写体の撮影では、デジタルカメラがメインで登場します。その場で露出の確認ができ、万が一イメージと違う場合、その場で撮り直せるということは、精神的にもゆとりを産みだし、結果いい作品を残すことができます。
EOS学園など、写真を教えることも、私の仕事の一つなのですが、写真を学ぶ上でもデジタルカメラには多くのメリットがあります。
撮影後にすぐ画像の確認ができること・・・何が失敗で何が成功なのか、撮影現場で比較ができるので、完成度を高めることができます。また、記録メディアを一度買えば、フィルムよりは枚数を気にすることなく気軽に撮影できること・・・沢山撮影するのが上達の早道です。
また、簡単にプリントできるシステムがあること・・・難しいカラーマネジメントの知識が無くても、綺麗で大きなプリントが簡単に楽しめます。デジタルカメラやパソコンが普及し、画像をカメラの液晶やパソコンの画面のみで楽しんで終わってしまう人も多いようですが、大きなプリントにしてはじめてEOSの高画素&高画質が味わえますし、作品をしっかりと評価することができます。
私の場合、プリントは作品展、入稿原稿など、仕事での利用の他に、作品の善し悪しの判断にも利用しています。撮影時の思い入れが強い場合、どの写真がいいのか、判断に迷うこともあるのですが、そういう時にはいつくかの作品をA4〜A3程度にプリントし、目につくところに飾っておきます。毎日眺めていると、飽きる写真と飽きない写真があるのですが、飽きない写真を最終的には選ぶようにしています。コンテストに出す時、どの写真にしようか迷った場合、また、類似カットで迷った場合などにはこの方法を試されてはいかがでしょうか?
ホームプリントというと、かつては特別な知識が必要で、思いの外難しかったのですが、パソコンがなくてもカメラダイレクトで、また、パソコンがあれば、Digital Photo ProfessionalやイメージブラウザとEasy-PhotoPrint との連携で、簡単にプリントをすることができるようになりました。これは素敵な進歩です。
数年前、フィルムをスキャニングして、パソコンへ取り込み、大判インクジェットプリンタで大伸ばししたプリントで作品展を開催したことがあります。その際、ポジの色合いをプリントアウトで表現するには画像処理の必要があり、またそれはとても大変な作業でした。しかし、A1まで大きくのばしたプリントでの作品展示は、当時、新たな展示の楽しみ方を感じさせるものでした。
現在は、デジタルカメラできっちりと撮影したものであれば、付属のソフトを使い、インクジェットプリンタで出力するだけでも、画像修正無しに満足のいくプリントになります。ポジで撮影し、デジタルデータ化して、更に画像処理をするという、かつての大変さが嘘のようです。
デジタルというと、撮影後の画像処理を前提としているアマチュアの人が多く、RAWで撮影していれば適当に撮っても調整できると勘違いしている方が多いように思います。確かにフィルムの時と比べ、簡単に画像処理ができる環境があるので、画像処理をしたくなるのもわかります。しかし、現在のデジタルカメラやプリンタは優秀な性能を持ち、簡単にきれいなプリントができるシステムになっているので、ちゃんと撮影していれば画像処理はほとんど必要がありません。デジタルになってから、撮影がおろそかになっている人を沢山見かけますが、それではきれいなプリントにはなりません。私自身、一枚一枚を大切に、心を込めて撮影しようと心がけています。
みなさんも、心のこもった写真で、きれいなプリントを楽しんでください。