スナップや記念写真など人物を撮る機会はたくさんあると思う。天気が良い日、悪い日、室内などいろいろな条件が絡み、常に写真がシャープにとれるとは限らない。また、シャープにとれている写真より、ぶれていたりフォーカスが多少甘い方が情景をよりよく表現できることもあるものだ。そこで気持ちのよい表現をするため、「シャープネス」を利用したきれいなプリントの作成方法をお見せしたい。
「シャープネス」とは輪郭などを強調する処理のことで、デジタルカメラには元々内部でその処理をしている機種も多い。デジタルカメラで撮影したデータをそのままのサイズで使用する場合は、カメラ内部でシャープネス処理されたデータでもよいのだか、プリントが目的でオリジナルサイズより大きくする場合、シャープネスをさらにかけ直した方がよい時がある。ただし、写真の絵柄によってはあまりかけすぎるとジャギーが目立つこともある。いずれにしても、シャープネスをかけるのは色々な処理をした最後にかけるのが望ましい。
一般的なデジタル一眼レフはCMOSセンサーやCCDの前にローパスフィルターが入っている。これはフィルムと違い、RGBの受光部が同じ場所にないデジタルカメラの特性上の難点を解決するためについているものだが、これがフィルムと比べて、写真を少し甘く見せている原因になっていることも多い。
さらに撮影時の様々な要因(手ぶれ、後ピン、前ピン)も加わって、写真が何となく甘く見えることがある。そこで人物写真などは、撮影後プリントするまでの間に、目元や口元などの顔の中心部にシャープネスをかけることをお勧めする。

撮影したままのオリジナル写真 目元にシャープネスをかけていないので全体的に甘い印象がある。
目元にシャープネスをかけた写真
目元のシャープネスを増すことにより写真全体の印象が変わる。フォーカスがあっている部分とあっていない部分をはっきりさせることで、作品から受ける印象が変わる。人物写真の場合、目にフォーカスが合っていることで、人物の印象を強めることができる。
Photoshopなどのレタッチソフトを使い、もとの写真のレイヤーを作り、その写真にシャープネスをかけ、顔などの表情の見える部分のシャープなデータのみを利用する。
レイヤーを複製で2枚のレイヤーを作成。一番上にあるレイヤーにシャープネスをかける。
シャープネスをかけたレイヤーをかけていないレイヤーの下に移動し一番上のレイヤーにレイヤーウインドウの「レイヤーマスクを追加」でマスクをつける。ブラシを使って目元を消し込んでゆき、下のシャープネスがかかったレイヤーを出してくる。(そのときブラシの不透明度を少なめ(5%以下)に設定しいきなり消えないようにすること)。
今回のサンプル写真で説明した、部分的にシャープネスをかける方法は、写真を大きく伸ばす場合にも使いやすい。大判プリントの場合、単純に写真全体にシャープネスを強くかけるとジャギーが目立つことが多くなるが、この方法だとあまり目立たない。写真はすべてがシャープに見えるよりも部分的にシャープに見える所がある方が、よりきれいに主題を引き立たせることができる。なるべくジャギーを目立たせることなくシャープな印象を与えるのにはこの方法がベストだ。
人物に限らず、自分が見せたい物をより強調するために、このテクニックを利用してほしい。