写真の美しさは、色調の豊富さ、階調の豊かさ、鮮鋭さなどさまざまな要素が絡み合って決定されるが、もっとも重要なもののひとつがインクだ。ここでは染料ブラックインクが果たす役割と、その重要性について紹介する。

インクジェットプリンタにおいて、プリント時にどのエリアでブラックインクを使用するかはメーカーによって異なるが、PIXUSの場合、ブラックインクはグレーから黒領域のプリントを担うだけではない。画像全体の濃度やコントラストの決め手にもなっている。発色性が豊かなほど、写真はメリハリがあるダイナミックなイメージになる訳だ。三次元の世界を二次元の紙の上に表現する写真プリントでは、立体感の再現にブラックインクが果たす役割は大きい。
また、その色調は画質にとって大変重要だ。無彩色の完全な黒をインクで表現することは極めて困難だが、どんな色みも帯びていない黒は写真を引き締め、美しさを一層引き立たせる。
さらにグレーという視点から考えると、グレーは色の基礎といわれるように、肌色をはじめ雲、壁、建物、地面などの低彩色に与える影響が大きく、色調が悪いと色転びが起き画質は著しく低下する。

では、ブラックインクの発色や色調に影響を与えるのは何かというと、それは反射濃度や彩度である。そのうち、彩度のほうが大きな影響を与える。つまり、反射濃度が高いよりも、彩度が低いブラックインクのほうが「黒さ」を高める。
PIXUSで使われている現行BCI-7系のブラックは、数種類の染料を混合することで、ブラックインクの色調をニュートラルに近づけ、「黒さ」を高めている。また染料の混合比率は、太陽や蛍光灯の光などあらゆる光源下で色の差ができるだけ小さくなるように調整されており、その結果、階調をグレーに変化させたときでも色を帯びることが少ないブラックインクになっている。
左はブラックが赤へ転んでしまった例。右がBCI-7系ブラックインク。チャートを見ると、その違いはさらにはっきりと分かる。BCI-7系は視覚的に「黒さ」を実感できる。またグレーへの安定した階調変化が可能だ。
このようにBCI-7系は光源によらず、視覚的な「黒さ」が向上している。ブラックが引き締まった出力は、あらゆる写真プリントに効果がある。ぜひ試してもらいたい。